「子ども・教育」ボランティアってどんなかんじ?実際に活動している団体に聞いてみました|ボランティアガイド - Yahoo!ボランティア

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「子ども・教育」ボランティアってどんなかんじ?実際に活動している団体に聞いてみました

Yahoo!ボランティアではカテゴリーに分類してボランティア活動を掲載していますが、実はカテゴリーの中にも多様な組織や活動が存在しています。今回は子ども・教育ボランティアの一例として、宮城県石巻市で子ども・若者支援に取り組む「TEDIC(外部サイト)」に、実際の活動について聞いてきました。

「子ども」ボランティアの様子
写真提供:TEDIC(外部サイト)

団体の活動内容を教えてください。

私たちは「心の一人ぼっちがいないまち、石巻」「どんな境遇に生まれた子ども、若者でも自分の人生を自分で生きていけるような地域社会をつくる」ことを目指し活動をしています。

行政からの委託事業として学習支援やさまざまな困りごとの相談窓口、フリースクールの運営をしています。また、子どもたちの困りごとを解決するために活動するさまざまな組織のハブとなり横のつながりをつくるコーディネーター事業も実施しています。

ボランティアはどのようなポジションで活動できるのでしょうか。

ボランティアが関わっているのは、子どもたちの居場所づくりです。家庭に居づらいと感じる子どもたちに場所を開き、学習支援はもちろん、広く生活の困りごとについて相談に乗ります。

例えば、生活が困窮している家庭では、子どもたちが落ち着いて勉強できるような物理的・心理的な環境が整っていないことが多い。そういった子どもたちが勉強できるスペースを提供し、学習のサポートもします。学校に通っていない子どもたちのために、日中も活動しています。

食事の提供もありますし(現在は、新型コロナウイルス感染防止のため、おにぎりを渡して家で食べてもらっている)、キャンプなどの行事ごとも企画します。

こうした活動の中で、子どもたちとコミュニケーションをとったり、勉強を教えたりするのが主な活動です。

活動を通じて、どんな体験・経験が得られますか。

実際に子どもたちと関わっていくわけですから、子どもたちとのコミュニケーションスキルは必然的にあがっていくと思います。

日々子どもたちと向き合い、子どもたちが抱える複雑な事情や現実を知ることで、おそらく「どうしてこんなことになっているのだろう」と疑問や戸惑いも生まれるでしょう。社会課題や人権などへと関心を広げる人もいます。

また、スクールソーシャルワーカーなどさまざまな立場の人と関わるので、福祉分野などで仕事をしたい人にとっては、業界について知る機会にもなると思います。

どのようなスケジュールで活動するのでしょうか。

昼間の活動であれば

11:00 集合・打ち合わせ

12:00 昼食を取ったあと、子どもたちを迎え入れるために部屋全体の消毒作業

13:00 子どもが来る、それぞれに合わせてサポートする

15:00 子どもたちが帰る

消毒作業や事務作業を終えて、随時解散

夜の活動であれば

16:00 集合・移動

17:00 打ち合わせ、子どもたちを迎え入れるために部屋全体の消毒作業 

18:00 子どもが来る、それぞれに合わせてサポートする

20:00 子どもたちが帰る

消毒作業や事務作業を終えて、随時解散

といったスケジュールで動きます。

どんな人たちがボランティアとして活躍していますか。

私たちの団体では、それなりにまとまった時間で関わってほしいので、比較的時間のある学生さんを主に募集しています。教育学や心理学、福祉などを専攻している大学生や専門学校生が多いですね。

ここ数年の傾向だけで言えば、コロナ禍で大学生・専門学校生も居場所を求めています。ボランティア活動は、そんな学生たちの受け皿にもなっているようです。

年齢関係なく募集している団体も多いはずなので、ボランティアを探す際はよく調べていただければと思います。

ボランティアをするために必要なスキルはありますか。

私たちの団体では、募集時点での特別なスキルは求めていません。子どもたちとコミュニケーションを取りながら必要なことを覚えてもらいます。事前研修もないかわりに、日々の出来事から学び改善していくプロセスを大切にしています。ボランティアにも成長してもらいたいのです。

スキルや経験などフィルタリングをかけて募集する団体も多いかと思います。私たちがそれをやらないのは、事業としてさまざまな事情を抱えた子どもたちを預かるわけですから、同様に学生たちにもフィルタリングをかけずに広く受け入れるべきだと考えているからです。

とはいえ、私たちの団体に向かないだろうという学生もいます。それは「勉強を教えたい人」です。もちろん勉強を教えることは私たちの活動の一部なのですが、その目的は学力を上げるためではありません。あくまでも子どもたちに来てもらうきっかけのひとつ。学力を上げることよりも、子どもたちのやる気を引き出すことが大切です。

活動する上で大切にすべき点はどんなことでしょうか。

子どもたちも、自分と同じ「人」です。子どもたちが嫌がることはもちろんしてはいけません。勝手に写真を撮る、SNSに上げるなど、人として相手への尊重がない行動はやめてください。

さらに言えば、子どもたちは自分とは違う「他人」です。自分が育ってきた環境とはまったく違う状況で生きている子どもたちも多くいます。想像力を持って行動してもらいたいです。

大事なことは「支援してあげる」といった、ある種の"上から目線"を捨て去ることだと思います。子どもたちは本質を見透かします。「助けてあげよう」ではなく「一緒に過ごす・遊ぶ」でいい。そこからいろんなことを考え、学び、活動にフィードバックしてもらいたいです。

執筆:葛原信太郎
取材協力:特定非営利活動法人 TEDIC(外部サイト)

TEDICのロゴ

特定非営利活動法人 TEDIC

石巻圏域の子どもや若者が、生きづらさや孤独感を抱えた時、自分の人生をより豊かにしたいと思った時に、頼れる誰かがいる、何か理由がなくても自分のことを受け入れてくれる場所がある、そうした環境(地域)を子どもたちや地域の方々と一緒につくっていく活動を行っています。

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