「自然環境」ボランティアってどんな感じ?実際に活動している団体に聞いてみました
Yahoo!ボランティアではカテゴリーに分類してボランティア活動を掲載していますが、実はカテゴリーの中にも多様な組織や活動が存在しています。今回は自然環境ボランティアの一例として、自分たちが住む街をもっとキレイで、もっとカッコイイ街にするための活動に取り組む「グリーンバード(外部サイト)」に実際の活動について聞いてきました。
団体の活動内容を教えてください。
私たちは「きれいな街は、人の心もきれいにする」をコンセプトに活動しています。スタートは2002年の原宿・表参道でしたが、今では北海道から沖縄までの日本各地だけでなく、アメリカ、パリ、スリランカなど海外にもチームがあり、チーム数は約70にまで成長しています。
主な活動は「街のそうじ」ですが、参加には会員登録の必要もなく、次回の参加も強制ではありません。掃除の道具もこちらですべて用意してあるので、身ひとつで来るだけでいいというハードルの低さがボランティアに興味を持ち始めた人に届き、ボランティアの「はじめの一歩」として参加していただくことも多いです。
ボランティアはどのようなポジションで活動できるのでしょうか。
純粋に「ゴミ拾い」をしてもらいます。ゴミ拾いをしている人を目立たせるためだけでなく、なるべく楽しく参加してもらえるよう、着たいと思ってもらえるようなデザインのゼッケンをつくったり、ゴミを拾うトングを5色から選べたりと工夫しています。最近では軍手も新たに端材を使ったカラフルなものを作ったり、どれも参加者からはおしゃれだと好評です。活動はチームリーダーがどんどん引っ張ってくれるので、今まで参加したことのない人も安心して参加していただけます。
活動を通じて、どんな体験・経験が得られますか。
大きく分けて2つあります。ひとつは「街の捉え方が変わる」こと。例えば、表参道ってゴミなんて落ちてないってイメージがあると思うんです。見える場所には確かにゴミは落ちてないんですよ。でも、活動に参加してみると街路樹の茂みなどにはけっこうゴミが捨てられていることが分かるんです。ゴミを起点にすると、街の捉え方、見え方が変わってくると思います。
あともうひとつは、この活動が参加者にとっての「居場所」になりえること。ウェブサイトに掲載されている時間に集合場所に行けば、絶対に誰かがいます。また、私たちのゴミ拾い活動では、ただゴミを拾うだけでなく、参加者同士のコミュニケーションが自然に生まれるように工夫しています。例えば、一人ひとりに渡すゴミ袋は、燃えるゴミ用か燃えないゴミ用の1つだけ。つまり、自分だけではどちらか一種類のゴミしか回収できないため、誰かの袋に自分が拾ったゴミを入れてもらわないといけない。ここで、コミュニケーションが生まれるんです。「ゴミを入れてもいいですか」「ありがとう」の声の掛け合いがあるだけで、気持ちが良くなるものです。
どのようなスケジュールで活動するのでしょうか。
集合から解散までの約1時間が活動時間です。
例えば10:30に集合であれば、10分ほどで受付や検温、備品類の配布をします。チームによっては、最初にアイスブレイクなどがあることも。その後、街を歩きながらゴミを広い、元の場所に帰ってきて改めてしっかり分別します。集合写真を撮って11:30くらいに解散ですね。
どんな人たちがボランティアとして活躍していますか。
場所によってまったく違います。例えば、原宿チームは美容師さんが多いですね。また、リーダーによって、そのチームの参加者の属性も変わってきます。学生がリーダーを務めるチームであれば、学生の参加者が多かったり。
とはいえ、いろんな人がボランティアに参加してくれています。お子さんと一緒に参加してもいいし、過去には全盲の方が参加したこともありました。もちろんご高齢の方も大歓迎です。おそうじ日記というブログを各チームが使っているので、それらを参考にするとそれぞれのチームの雰囲気を事前につかんでいただくことが可能です。
ボランティアに必要なスキルはありますか。
まったくないです。申し込むためのちょっとした勇気くらいでしょうか(笑)。
活動する上で大切にすべき点はどんなことでしょうか。
それぞれの参加者のあり方を尊重することでしょうか。活動はコミュニケーションが自然発生するように設計されてはいますが、我々がコミュニケーションを強制するようなことはしません。黙々とゴミを拾いたい人もいるし、みんなでワイワイやりたい人もいる。それぞれの人が無理なく、自由に時間を過ごせるような活動であってほしいと思っています。
執筆:葛原信太郎
取材協力:認定NPO法人 グリーンバード(外部サイト)
認定NPO法人 グリーンバード
日本全国・世界各地で、街の清掃活動(ゴミ拾い)を中心に街づくりのサポートを展開している認定NPO法人。"KEEP CLEAN, KEEP GREEN."を合言葉に、ゴミを生まない・捨てないプロジェクトも始動中。ゴミ拾いをきっかけに⼈と⼈が出逢い、地域を⽀えるコミュニティを築くことを目指す。