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松山 功さん(72)

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青年時代の夢を追って

「あれよあれよという間に10年がたっていました」と、にっこりする松山功さん。定年後、ほぼ毎年のように中国やヨルダンへ飛んで魚介類の養殖技術を指導し、海外ボランティア一色の生活を送ってきた。

実は、松山さんは水産分野を長く専門としてきたわけではなく、定年後に“若いころの夢”を追い求めて、東京大学水産学科の研究生となったのが、すべての始まりだった。

20代のころ、京都大学農学部で学んだのは砂防工学。魚が好きだったために水産学部を希望したが、家庭の事情で断念した。「当時、京大の水産学部は舞鶴にあったので、結核で入院していた母親を置いては行けませんでした」

大学卒業後は静岡県の楽器メーカーに勤務したが、魚介類への関心は変わらず、「週末には浜名湖へ行ってアサリを獲り、産卵・ふ化させて稚貝を育てていた」という。いつしか養殖が趣味となっていた。

60歳でサラリーマン生活を終えると同時に、長年の夢を実現させるべく東大水産学科へ。「今から思うとつたない夢でしたが……」と自嘲気味に振り返る松山さんだが、晴れて魚介類の産卵とふ化の研究に3年間没頭した。
内モンゴル自治区にて、養殖した魚と松山さん。
内モンゴル自治区にて、養殖した魚と松山さん。



ヨルダンのアンマンで養殖指導をしている様子。現地の若者と一緒に作業。
ヨルダンのアンマンで養殖指導をしている様子。現地の若者と一緒に作業。

中国での活動は30回以上

初めての海外ボランティア活動のために中国に渡ったのは東大在籍2年目のこと。山東省で火力発電所の温排水を利用した養殖を教えた。中学校時代の同窓会で、国際協力機構(JICA)に勤める友人に「外国へ行って勉強してみたい」と話したら、日本シルバーボランティアズ(JSV)を紹介されて登録したのがきっかけだった。

以降、遼寧省や江蘇省など中国各地でハマグリの産卵・ふ化、稚魚の育成、フグや車海老の養殖などを指導してきた。中国での活動は30回を超える。その功績が称えられ、2003年、70歳で中国政府から外国人功労者に贈られる「友誼賞」を受賞した。

JICAを通じて1997年から2年間派遣されたヨルダンでは、“砂漠の真ん中”にある養殖池で、5匹のティラピアを1万匹にまで繁殖させることに成功した。「現地の人は『水質が悪いからだめだ』と言っていましたが、私はアメンボが浮いているのを見つけた瞬間、『生物がいるこの池なら養殖できる』と自信をもちました」
講義風景。難しい理論もわかりやすく講義。
講義風景。難しい理論もわかりやすく講義。
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情報提供元:株式会社国際開発ジャーナル社(外部サイト)
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